食物、水のほか空気からも摂取しています。その代表的なものを紹介しましょう。
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食物そのものから摂取
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アルミニウムは、地表上に豊富に存在しており、その中で育つ野菜や穀物、また海産物や家畜などあらゆる食物に含まれています。その量は食物の種類によっても異なりますが、単位量当りでみると、海草類、貝類、大豆・ごま類などで多くなっています。
日本では、軽作業の男性で1日に4.5mgとの試算した報告があります。
アメリカでは 2〜10mg、イギリスでは 3.7mgとの報告があります。
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添加物から摂取
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食品添加物にもアルミニウムを含むものが多くあります。プロセスチーズ、ベーキングパウダー、ピクルスなどでは、アルミニウムを含む添加物が多く使われています。日本人になじみの深い漬物にも、アルミニウムを含んだみょうばんを利用したものが昔からあります。
食べ物の嗜好により、添加物からのアルミニウムの摂取量は大きく変わりますが、アメリカでは添加物の生産量から、1人1日当たり20mg程度摂取していると試算した報告があります。
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飲料水から摂取
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食物と同様に、河川や地下水にもアルミニウムが含まれています。また、飲料用に清浄する過程で、濁りなどを取り除く凝集剤としてもアルミ化合物が広く使用されています。
飲料水に含まれるアルミニウムの量について、WHOでは、健康上の理由からではなく、水の濁りを生じるという感覚面の理由から、 0.2mg/Lというガイドラインを設定しています。
日本でもこれを参考にして、快適水質項目として 0.2mg/Lを目標値としています。
(詳しくはQ6をご参照下さい)
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調理器具から摂取
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アルミなべなどの調理器具は、調理物との接触によりわずかずつ溶出します。
これはステンレス、鉄、ほうろう、ガラスといった他の素材でも同様です。
FDA(米国食品医薬品局)の調査では、すべての調理、取り扱い、保存に裸(アルマイ卜加工など表面加工されていない製品)のアルミ製品を使用した場合、1日当たり最大3.5mgと報告されています。日本では国立医薬品食品衛生研究所を主体とした研究で、あらゆる調理(通常加工済みで購入する食品や酸性・アルカリ性の調理を含む)においてアルミ製調理器具を用いた場合の試算値を、1日当り1.68mgとしています。これらのデータは、「すべて」「あらゆる」を前提に試算されたものですから、実際には相当少なくなります。また、同研究ではアルミ箔製品からの摂取は1日当り0.01mg、缶飲料からの摂取は0.02mgとしています。
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薬剤等から摂取
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アルミニウムは医薬品にも使用されています。例えば、胃薬(胃酸の中和剤)や鎮痛剤に多く使われており、1日の服用量中に1000mg程度のアルミ化合物が含まれているものもあります。
通常の人がこれらの薬のアルミニウムで健康障害を起こしたという報告はみられません。
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空気中から摂取
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空気中にもアルミニウムは存在しており、鼻の粘膜を通しての吸収もあります。ただし、その量は、非常に微量であり、正確な量はよくわかっていません。
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