
アルミ箔の世界 HOME > アルミ箔こんな所で大活躍 >こぼれ話・耳より情報:渡辺五大・アルミ箔による"空間変容アート"の世界-1
![]() |
||
![]() |
||
2005年5月のある日、神奈川県鎌倉市の名刹・建長寺域の外れに、内外をアルミ箔に覆われたお堂が忽然と現れて、人々の目を奪った。廃寺となっていた華蔵院のお堂に全く新しい命を吹き込み、そこを特別な場所へと変容させ、訪れた人に非日常的な空間を体感させる、インスタレーション・アート(※1)だ。作品名は「鎌倉銀閣」。
|
||
![]() |
||
![]() 東京芸術大学で彫刻を学んだ後、米国ニューヨークでの海外研修(文化庁派遣芸術家在外研修)などを経験、芸術家としての土台を身につけた。現在、母校東京芸大の非常勤講師として金属彫刻を指導、また美大を志望する高校生のための予備校講師を務めるかたわら、金属彫刻制作をベースに、アルミ箔を大胆に用いたインスタレーションという独自の活動に打ち込んでいる。 |
||
![]() |
![]() |
||
![]() |
||
「鎌倉銀閣」制作に至る前まで、渡辺氏は独自の空間造形の素材としてアルミ蒸着シートを使っていたが、あるきっかけで、(社)日本アルミニウム協会のアルミ箔広報委員会と接点ができたことから、新たな創作の可能性に道が拓けた。協会の支援を得て、大量のアルミ箔素材を使ってフロッタージュ(※2)手法を取り入れた大型インスタレーション作品への挑戦が始まった。
|
||
![]() |
||
「鎌倉銀閣」が醸し出した強烈で不思議なイメージは、アルミ箔が下地の木目に密着して、元の姿がそのディテールを残しながら別の造形へと転化することによって生まれている。それは極薄のアルミ箔によってしかつくり出すことができなかった表現であった。彼の新しい創作は大きな反響を呼び、次々と新たな舞台が用意されていった。 では、渡辺氏のこれまでの"アルミ箔アート"をご覧いただこう。 |
||
![]() |
![]() |
ページ冒頭のたたずまいが、夜にはライトアップされた。
![]() |
![]() |
![]() |
||||||
2008年9~10月、横浜市青葉区で開催された地域芸術祭「AOBA+ART」に参加。住宅街の公園の砂場にある親子のカバの像が砂に埋もれかかっていたのを見て、「よみがえらせたい」と思い立ち、アルミ箔を張って銀のカバに。「みたまいれ」と名付けた。
|
||||||
![]() |
![]() |
||||||
渡辺氏は「越後・妻有アートトリエンナーレ"大地の芸術祭"」(2009年7月26日~9月13日)に「銀河荘;天体観測する家」という作品で参加した。 このイベントは、新潟県越後妻有地域の760km2で展開する世界最大級の国際アートトリエンナーレで、2000年のスタート以来3年毎に開催、2009年は第4回目。参加アーティストは、世界28の国と地域から252の個人、グループに及んだ。 「日中は緑の風景を映し燦然と輝く存在となり、夜間は月明かりを浴び、闇からぼんやりと浮かび上がる。人工照明を全く受けない夜空の下で、思い切り星空を体感する」(渡辺五大)というのが作品の狙いだ。作品制作では、忙しい日常の合間を縫って、新潟の現地に足を運び、バンガローに得意のアルミ箔ラッピング(?)を施す作業に汗を流した。
|
