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7. 接 合
接合は大きく分類すると溶接,機械的接合,接着に分けられる。

1. 溶 接
アルミニウム建材で使われる溶接法としてはアルゴンガスアーク溶接にティグ(TIG),ミグ(MIG)があり,この他に抵抗スポット溶接,プロジェクション溶接がある。
表14にその特長と適用例を示す。
表 I4 アルミニウムに使われる主な溶接法の特長と適用例
| 特 長 | 適 用 例 |
アルゴンガス ・アーク 溶接 | ティグ溶接 ・装置が安価で維持費も低い。 ・ほとんどの合金の溶接が可能。 ・習熟が早く,溶接作業が容易。 ・溶接材の強度や耐食性が良好。 ・母材の厚さ,面積など寸法の適用範囲が広い。 ・補修溶接に適す。 | 役物の組立
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ミグ溶接 ・溶接速度が大きい。 ・溶接ひずみが小さい。 ・溶接部の品質がほぼ平均して信頼性が高い。 ・厚板の溶接に適す。 | 大型建材の組立
| |
抵抗スポット 溶接 | ・設備費は高いが,作業性が良く多量生産に向く。 ・薄板の溶接に適す。 | 役物の組立
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プロダクション 溶接 | ・この溶接法の一種にボルト,ナットを板に簡単に 接合するスタッド溶接があり,植え込みボルトと 同じ目的に使われる。 | カーテンウォール |
溶接した製品にアルマイト処理する場合は,溶接部およびその周辺に若干の色調の変化が生ずることがある。
2. 機械的結合
機械的接合方法には リベット ボルト・ナット かしめ がある。
リベット
ブラインドリベットがよく使われている。特長は,
・片側からの作業が可能。
・作業が簡単で常に安定した接合が可能。
・異種材料との接合が可能。
ボルト・ナット
他の材料の場合と全く同一である。ただし使用場所によっては接触腐食の問題を生じるので,アルミニウムを使用することが望しい。ステンレスや亜鉛めっき鋼のボルト・ナットを使用する場合はボルト・ナットとアルミ板との電気的絶縁のためのパッキンなどを必ずはさむようにしたい。
かしめ
他の材料の場合と全く同一である。

図 7 ブラインドリベットの締結方法
3. 接 着
接着剤の選定に当っては市場に既に販売されているものの内から自分で選ぶより,信頼のおけるメーカーに当該作業の詳細を説明し,最適材料の提供を受けた方がよい。

建築用途に適した接着剤としては,一般に
・クロロプレンゴム系
・エポキシ樹脂系
の2つの系統が推奨できる。
これらの有機接着剤は,傾向として使用対象温度が低い(-20℃~+100℃)ものが多い。従って不燃材料あるいは防火構造を考える場合,接着部位に予測する温度を考慮し,場合によっては無機接着剤を使用しなければならない。
これらの特長および現在の一般的な使い分けを示すと表15のようになる
表15 接着剤の特長と用途
クロロプレンゴム系 | エポキシ樹脂系 | ||
特 長 | 長 所 | ・速乾タイプであり初期粘着力が大きく特別な圧締め装置を必要としない。 ・大量 連続接着作業に適す。 ・耐水性,耐薬品性がよく,接着後も弾力性を保持しているので衝撃に強い。 | ・溶剤を使用しないので,連続した接着作業が可能。 |
短 所 | ・接着剤塗布後,溶剤がとぶまでのいわゆるオープンタイムの設定に技術を要す。 | ・接着強度がでるまで若干時間が必要なため,圧締めを要する。 ・二液性のため作業時間に制限あり。 | |
通常の 用途 | ・工事現場における断熱材等軽い建材の接着。 | ・扉,パーティション,断熱サイディング等工場生産品における接着作業。 |
表面を清浄に保つこと
接着を行う前にアルミニウムの表面を溶剤などを用いて拭い,油分,塵,ほこりをよく落す。水分はよく乾燥させておく。
溶剤として水を使用するタイプの場合,被接着材料は通気性が必要
溶剤は硬化に必要な成分としての他に,接着作業性を高めるため用いられる。この部分はその作業が終われば無用のものであり,できるだけ早く大気中に飛んでいって欲しい部分である。アルミニウムには通気がないので,もう一方の材料,つまり被接着材料としては是非通気性のあるものでなければならない。接着面に残存した水分はアルミニウム腐食の要素として働く。
接着剤はできるだけ薄く塗ること
図8は接着機構を示したものであるが,(D)の材料強度が十分ある場合,接着部分のせん断強度は(B)より(C)で決まり,しかも(C)の厚みが薄ければ薄い程その強度も高くなる傾向にあることが実験により確認されている。従って接着剤はできるだけ薄く塗る。ただし極端に薄くすると欠膠と言って該当する面の内,接着剤がうまく乗らなかった部分が出て来るので注意する。
以上は主としてせん断強度に関する事項であるが,剥離強度については厚塗りの方がよい場合もある。このような点から接着剤メーカーでは標準塗布量(200~300 g/m2)を示し,多からず少なからずの程よい使用量を推奨している。
使用目的に適した接着剤の選定につきメーカーと十分打合せを行う
前述のように接着剤にはそれぞれのメーカー独自のいろいろなタイプのものがあり,使用温度範囲劣化性向等に差があるので,使用に際しては用途,目的を漏れなく伝え納得のいった銘柄を選定すべきである。断熱材のような軽い材料に対しては接着剤が多少劣化してもなおあり余る強度を持っているものがほとんどのようであるが,この点も念のために確認しておいた方がよい。

図8